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A. カキ・ホタテ・ホヤが「有害プランクトン」を食べ、体内に毒成分を蓄積してしまうからです。
カキ・ホタテ・ホヤは、養分豊富な三陸の海で増殖する「植物プランクトン」をエサに成長します。植物プランクトンにも多くの種類があり、何らかの原因で人間にとって有毒な成分をもつ植物プランクトンが増殖してしまうことがあります。
「貝毒」は、この有毒なプランクトンを食べた貝が、毒を体内に蓄積してしまうことが原因で発生します。毒は加熱しても消えないため、一度貝毒が発生すると、海域から有害なプランクトンがいなくなり、貝の体内の毒が排出されるまで待たなくてはなりません。
志津川湾では、定期的に貝毒検査を行っており、海域の有毒プランクトンが一定数を超えた場合、出荷を停止することで食の安全を守っています。
貝毒には種類があり、日本では「麻痺性貝毒」と「下痢性貝毒」の2種類が知られています。
<麻痺性貝毒> 舌や唇などのしびれ、重症になると体が思うように動かなくなります。最悪の場合、呼吸困難などで死に至る危険性もございます。
<下痢性貝毒> 下痢や腹痛、嘔吐、発熱を引き起こします。死亡例はありません。
※これらは加熱によって取り除くことはできません。
ホタテ貝につきましては、年々、貝毒の影響が大きくなり、今後さらに出荷が厳しい状況にあります。また、2020年には極めて珍しい「ホヤ」の貝毒も発生しております。
海水温の上昇、震災時に海中が撹拌(かくはん)され、有毒プランクトンが出てきたなどの見方もあるようですが、はっきりとした原因は分かっておりません。自然環境の中で育つものですので、何卒ご理解をいただきますようお願い致します。
(2020年6月1日更新)