南三陸 うに 開口

山内鮮魚店デザイン室のゴトウです。先日、地元南三陸の「ウニの開口(かいこう)」に同行しました。

 

「開口(かいこう)」とは

漁業協同組合が定めた日時に「ウニやアワビ漁」などを解禁し一斉に採取すること。漁業権(漁業を行う権利)を持っている方のみ漁ができる。

 

漁獲できるサイズと漁期を規制することで、ウニやアワビ、海藻などの海の幸を守っています。

 

南三陸 うに 開口

日の出前の4:30頃。小型船に乗り込み、いざ沖へ。出航して間も無く、空が一気に赤色に染まっていく景色はまさに絶景です。飛び交うウミネコの鳴き声と潮のニオイ。自然の中にいると五感が呼び覚まされる気がしますね。

 

南三陸 うに 開口

波しぶきと朝焼けを浴びながら進むこと約10分、ウニ漁の現場に到着。定められた範囲内でウニが採れそうなポイントを決め、漁の準備を始めます。すぐさま場所が決められるのは経験による熟知があってこそ。

 

南三陸 うに 開口

ウニ漁には「左:かがみ」と「右:カギ」と呼ばれる2つの道具を使います。

 

① 底がガラス状になっている「かがみ」で海中をのぞき、ウニの居場所を確認。
② 長い竹に付いた「カギ」を海中深く入れ、海底にいるウニをすくい海上に引き上げる。

 

※ライフジャケットは腰に巻きつけるタイプを使用しております。

 

南三陸 うに 開口

この日は、いつもより海が濁っていたため、海底のウニを見つけるのは大変そうでした。しかしそこは感覚でウニを見つけてしまう。私も試しに覗いてみましたが、ほぼ見えない状態でした…。

 

開口は視力が良くなければ難しいと言われているワケを改めて実感。しかもずっと中腰のまま、海底を何時間も見続けるのは体にも負担がかかります。

 

南三陸 うに 開口

漁をはじめて間もなく、海底からカギを引き上げると先端にはウニが! 手の感覚だけで長い竹を操りウニを採る。波で揺れる船上での漁はラクではありません。

 

南三陸 うに 開口

カギは湾曲になっていて、すくうようにウニを採ります。二手に分かれた先端部分にウニのトゲが引っかかり引き上げる際に外れないようになっている。この道具を考えた先人の知恵はスゴイですね。

 

南三陸 うに 開口

次から次に海底からウニを引き上げ、カゴにポン、ポン、と入れていく姿はまさにスゴ技!吸い込まれるようにカゴに入っていく「空飛ぶウニ」。漁を始めてから1時間ほどでカゴはウニでいっぱいに。

 

南三陸 うに 開口

こちらが獲れたてのウニ。手のひらを隠すほどコロコロと太っています。垂直にピンと立っているトゲが鮮度バツグンの証。南三陸で採れるのは「ムラサキウニ」という種類で、身が黄色く上品な味わいが特徴です。

 

南三陸 うに 開口

そのあと、場所を変えてはウニを探して採る、変えては採るの繰り返し。これを3時間もひたすら続けるのだから、根気と持久力が必要な大変な仕事です。開口が終了したのは朝7:30。カゴいっぱいのウニをのせて港へ戻ります。

 

南三陸 うに 開口

作業場へ戻ると、漁の疲れも取れないうちに「ウニのむき作業」が始まります。これがまた大変なんです。大量のウニをすべて手作業でさばき、むいていく。地道で時間のかかる作業です。

 

南三陸 うに 開口

ウニの身は採る場所によって身の大きさや色が違うため、殻を開けてみるまでは分かりません。さっそくウニの殻を割ると、中にはキレイでプリッとしたウニの身がギッシリ。専用のヘラで身を崩さないよう1粒1粒ていねいに取り出します。

 

南三陸 うに 開口

そして冷たい海水につけながら、ピンセットや割りばしを使って黒いワタ(内蔵)を取り除きます。単純作業に見えますが、非常に手間がかかるうえ、身が傷つかないよう丁寧な処理が必要です。こうして、さばき終えるまでに約5時間もかかりました。
南三陸 うに 開口

今回、漁に同行し、さばく作業までを間近で見て「ウニは高級」と言われるワケに改めて納得しました。ウニのエサが豊富な環境、ウニを採る苦労、地道なむき作業まで、丸1日かかって処理をする。どれが欠けても味わえないウニはやっぱり「極上の海産物」ですね。

<お客様の声>

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南三陸で食べたウニの味が忘れられず、注文しました。現地で食べたものと全く遜色ない、甘く雑味のない、本当に美味しいものでした。

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