今冬のホタテ漁が不振です。国内の「殻付きホタテ」が品薄になっていると先日ニュース(→)でも紹介されていました。国内のカニやイクラも不漁となっているようです。11月も半ばに入り、様々な市場関係者とのやり取りの中で聞こえてくるのは、やはり「ホタテが高い・ホタテが少ない」という事実。
ホタテが国内で不足している原因は様々だと思いますが、こと宮城県に関しては「海外への輸出」も原因のひとつだと当店は考えています。国内で品薄なのに、海外にホタテを輸出しているという事実はおかしい事です。
今冬、三陸のホタテに関しては以下のような事が考えられます。特に暮れに差し掛かるほど、それは顕著になっていくかもしれません。
今年はホタテが手に入らなくなる?
12月はホタテがもっとも活発に動き回る月でもあります。その理由は「お歳暮ギフト」。産地直送の海の幸は、やっぱり一年の締めくくりとして味わいたいものです。ホタテは好き嫌いも少なく、どなたでも慣れしたんだ魚介類。お歳暮ギフトにもぴったりの海産物。しかも、冬は一番ホタテが大きくなる季節。
でも今年に限っては、そのホタテが暮れに差し掛かるほど、どんどん少なくなっていくでしょう。少なくなるにつれ、やはり価格も高騰します。そうなると、2015年のサンマと同じように「ホタテの販売」をやめるお店も出てくるかもしれません。『価格が高すぎてホタテを仕入れられない』という事態になる。でもこれはあくまで「予想」です。60年以上、海産物に携わってきた当店でも、はやり自然のものを完全に予測することはできません。
今年のホタテは「早い者勝ち」
『殻付きホタテ』について、当店が毎年のように”実感する”ことがあります。それは「年末」に近づけば近づくほど、ホタテのご注文が増えていくという事実です。年末にゆっくりと新鮮な海の幸を楽しみたいですし、お歳暮ギフトもできれば年末に贈りたい、という方が年々増えてきています。
でも今年のホタテに関しては「早め」に手配することをオススメいたします。しかも「お届け日」を「年末」に指定するのではなく、とにかく「早め」に届けるよう手配するのが賢明です。全国的にホタテの数が少ないため、おそらくホタテ自体がなくなってしまう可能性があるからです。
当店でもこれ以上価格が高騰すれば、現在の価格では販売できません。その価格を決定するのは紛れもなく「水揚げ量」に他なりません。
常連様のホタテだけは確保します
当店は、毎年ご愛顧いただく「常連様」によって商売をさせて頂いているようなものです。スタッフや社員全員が、常連様を一番大切にするよう心がけています。二十年以上もホタテをご利用くださる常連様もいます。一度に何十件とホタテを贈答品にして下さる常連様も。
以前、そんな常連様とお会いする機会があり、お尋ねしたところ「ヤマウチさんのホタテを贈ると、みんなが喜ぶんだよ。こちらも毎年鼻が高い。いつもありがとう」そう言って下さったのを今でも覚えています。だから当店は、そんな常連様の分だけは、何とか確保します。もちろん自信満々の、甘くて肉厚な南三陸のホタテを厳選して発送いたします。ご安心ください。
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前回のコラムでもご案内しましたが、当店も今冬のホタテを確保するのに大変苦労しました。常連様に対し、年の暮れまで「ご要望にお応えできる量のホタテ」を確保する。それは絶対に何とかしたい「山内鮮魚店の意地」でもあります。結果、年末までは何とかホタテが確保できる。常連様の分だけですが、それが今の予想です。
暮れに差し掛かるにつれ、全国のホタテが市場からなくならないことを祈るばかりです。