アートの力で突き進む、南三陸再生への道のり
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山内鮮魚店店長の山内です。
先日、南三陸ポータルセンターにて「南三陸きりこプロジェクト ティファニーティファニー財団賞 伝統文化振興賞受賞」の報告会が行われました。
昨年の11月4日、第6回ティファニー財団賞授賞式がニューヨークで行われ、きりこプロジェクトを統括するENVISIの吉川代表と南三陸町から1名の職員が授賞式に参加。
実は個人的にも深くお付き合いさせて頂いている二人からは、帰国後早々にその詳細を教えて頂いておりました。
今回の「報告会」は佐藤町長も含め町の有志達へ、授賞式で二人が経験した体験や、きりこプロジェクトへの世界的な評価、さらにはお二人がグラウンドゼロに訪れた際の貴重な体験を報告する会として企画されました。
写真はティファニー本社で行われた授賞式での様子です。
授賞式当日は、あの「ティファニーで朝食を」のロケ地となった1Fのレストランで食事したり、普段は入る事ができないVIPルームでの授賞式など、本当にすばらしい体験をしたんだと改めて思う報告会でした。
ティファニー財団賞の審査員には世界的建築家で東京大学教授でもある隈研吾さんなど錚々たる顔ぶれ。
南三陸きりこプロジェクトへが世界的にも認められた内容でした。
(以下、講評)
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周辺地域にも認知されている南三陸のきりこを現代的に解釈し、コミュニケーションのツールとして使っていることが評価できる。
震災後も、地域の文化を伝えるツールとして使われており、記憶の継承を担っているともいえ、大きく評価できる
(隈研吾 建築家、東京大学教授 )
神社の神職が正月の神棚飾りのために縁起物を切り抜いた半紙「きりこ」や飾り幣束などを、暮れに氏子に 配布する風習がある。
神社ごとに伝わる「きりこ」のデザインはそれぞれ異なり、いずれも美しい。
きりこを新しい復興をモチーフとするアート作品として展示することで、人々が精神的支柱を見出せる場 を町の各所に創り出している。
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南三陸の「きりこプロジェクト」は、実は震災前から続いています。
宮司さんが制作し、それぞれの家庭の神棚に飾り先祖を敬う。
そうした本来のキリコの意味から発し、町おこしとして始まったキリコプロジェクト。
その活動を行っていたのは南三陸の女性達で作る「彩(いろどり)プロジェクト」の面々でした。
震災後は、そこにあったはずの商店跡地に商店主達の想いを象った「キリコボード」として、海に向かって設置されていました。
現在は嵩上げ工事のため、南三陸ポータルセンター前に移設しています(詳細はこちら)。
震災後、被災地の再生にのしかかる様々な問題。
数十年後、コンクリートで固められた町を誰もが望んでいる訳ではありません。
そんな中、こうした文化活動が世界的に評価され、我々の復興へかける想いを伝える文化的手段が存在するということは本当に貴重な事だと思っています。
町民の「想い」や「心」を反映した「新たな町の再生」。
必要なのは我々南三陸町民らしい手法で行う笑顔の絶えない町づくり。
キリコというアートの力で再生への道のりを突き進む南三陸でありたいと思います。