『こだわり』を詰め込んだ究極の逸品『牡蛎桜燻し』
山内鮮魚店店長の山内です。
明日11月29日、東京都内で行われる「世界に通用する究極のお土産」という全国の食品を集めた品評会の最終選考会が行われます。
当店の『牡蛎桜燻し』も一次審査を通過し100商品の中に選んで頂きました。
明日、その中から10品が「世界に通用する究極のお土産」として選定されます。
審査員の方々も食に携わるエキスパートばかり。
明日、私店長が会場入りし皆様にしっかりアピールして参ります。
当商品「牡蛎桜燻し(かきさくらいぶし)」は主に仙台駅や仙台空港、東北自動車道SAなどの交通機関向けの「おみやげ」として、気軽に三陸牡蠣の燻製を楽しんで頂けるように開発した商品です。
当店の水産加工品すべてに共通する事ですが、保存料や着色料などを一切使用しておりません。
商品の裏面を見て頂くとよく分かりますが、原材料は「牡蠣・塩」だけ。
アミノ酸などの味を調整する添加物など全く使用していないのです。
では何故、添加物を使用しなくてもあんなに濃厚な牡蠣の味わいを楽しむ事ができるのか。
企業秘密でも何でもない事ですのでお教えします。
ひとつ目は「牡蠣の選定」。
牡蠣の旬の時期は皆さんご存知でしょうか。
真牡蠣と言われる牡蠣の旬は冬。
これは生食で食べる際の旬の事です。
でも実は牡蠣が本当に美味しい季節は、加熱用に切り替わる3〜5月の「春」の時期なんです。
加熱用に切り替わると同時に、真牡蠣は抱卵期を迎えるため旨味成分となるグリコーゲンを体内に蓄え始めます。
この旨味成分が最も多く蓄積されるのがこの時期の牡蠣なのです。
この「牡蛎桜燻し」は一番味がのり、濃厚な風味を醸し出すこの季節の牡蛎だけを使用しています。
だから牡蠣の旨味が際立っているのです。
ふたつ目は当店独自のスモーク製法。
燻製をひとくくりに考えた場合、実は真剣に一から燻製している商品と、そうでない商品が世の中には存在します。
そうでない商品とは「燻液」を使用したもの。燻液という燻製の香りを付けるための液があり、その液に商品を浸して乾燥させる。
これは本当の燻製ではありません。
燻製は非常に手間がかかるのです。
いつからそんな製法が世の中に出回ったのか分かりませんが、おそらく「価格競争」から端を発しているものなのでしょう。
出張で各地に出向いた際に、様々な場所でそんな商品を口にするのも事実です。
当店のスモーク商品はすべて一から桜チップでスモークしています。
実は非常に手間がかかっています。
燻製はかけすぎると商品自体が固くなってしまいます。
牡蠣の柔らかさを味わって頂くには、温度帯を二段階に分け、絶妙のタイミングで燻製をする(これだけ企業秘密です)。
燻製香も強すぎず弱すぎず、口にいれた時に牡蠣の旨味と燻製香が絶妙にマッチするよう何度も何度も試作を重ねました。
商品自体も一度に大量に作るわけではありません。
大量に作るという事は、生産量は上がりますが、決して商品にとっていい事ではありません。
しっかりと時間をかけて様々な行程を重ね、製造しています。
味を「あんじょう」させるため、燻製後にも一晩じっくり冷蔵庫で寝かせています。
保存料を使用せず、アミノ酸等で味を調整することなく、まして燻液などという得体の知れない原料を使用することなく、素材の旨味を最大限に活かす商品を作るという事は、それだけ素材を吟味し、手間をかけ、こだわりを貫く事が必要なのです。
話はそれましたが、明日行われる「世界に通用する究極のお土産」その品評会で選ばれた商品はすべて当店と同じように、極限までこだわった素晴らしい商品ばかりだと思います。
選ばれるかどうかは天のみぞ知る、ですが、我々製造者はこの「こだわり」をどんどん消費者の方々に知ってもらえるよう、努力していく必要があると痛感しています。