牡蠣の販売が、本日で終了しました。
次回の「マガキ」は、11月頃から再開いたします。
夏の「岩牡蠣」はメドがたっていませんが、できるかぎり販売したいです。
牡蠣の終了とともに、昨日「とある場所」を訪れました。
南三陸から車で90分ほどの「小さな港町」。
今回の訪問は「三陸のすばらしさ」を再認識する、いい機会になりました。
ここは牡蠣養殖で有名な地域。
キラキラとまばゆい太陽。
透きとおるような海水。
おだやかな内湾。
山に囲まれた、それはそれは「小さな湾」が象徴的な
「原風景」が残る場所。
船着場に立つと、冷たい潮風が背中から「スーっ」と吹きぬけていきます。
潮の「匂い」をいっぱいに浴び、カモメと漁師の息づかいに耳を傾ける。
静かに波うつ「海面の音」が、どんどん体に染みこんでいきます。
港の先端にたち、太陽が照らす海底に見えたのは、見渡す限りの『藻の森』。
顔を見上げると「木々の森」が、豊かな「海の森」を形成している地形がはっきり分かります。
ここに立つと、全身の力がぬけていくようです。
『リアス式海岸』は、日本では三陸特有の地形かもしれません。
キザキザに入り組んだ海岸線を、無数の「森」が囲むようにそびえる。
全体像を見ると、その形は『森と海』が共存する地形そのもの。
『森と海は恋人同士』
森に注いだ「雨水」が、長い年月をかけゆっくりと地中深くに染み込む。
やがてそれは、豊かな「ミネラル」をふくみ、海へと流れて行く。
そして「湾内」に雨水が溶け出して行く。
雨が降らなければ、森は育たない。
森が育たなければ、海は良くならない。
そして育つ魚介類は、心身ともに健康的で、のびのびと育って行く。
まるで人間のようです。
南三陸も同じ。
森が内湾をぐるりと囲み、ギザギザの海岸線が穏やかな海を守っている。
だから南三陸の海の幸は、やさしく、誠実な味がするのです。
『そうだったの!?知らなかった!』
お客様が知りたいことを、産地の人間が伝えていく。
森は水に生かされていて、海は森に生かされている。
そして我々産地は、海に生かされている。
それをお客様が口にし、食卓が笑顔になる。
美味しいから販売するのではなく、なぜ美味しいのかを販売する。
益々、そんな時代になっていくのだと実感しています。