牡蠣

山内鮮魚店店長の山内です。今日の南三陸町は見事な晴天になりそうですが、出勤時の早朝はやっぱりかなり冷え込んでます。お店の中の冷蔵ケースや冷凍ケースと共に過ごすと寒さが堪えます。もう冬はすぐそこですね。事務所では昨日から暖房を付け始めました。今年は特に寒くなりそうです。

 

さて10月も中盤に差し掛かり「牡蠣はまだですか?」というお問い合わせを頂きます。宮城県でも県漁協がカキの出荷を始めたというニュースが昨日流れましたが、あくまでも走りですので、まだ身入りがそれほどです。価格も高いのでもう少々お待ち下さい。身入りと価格の安定を見ながらですが、10月後半または11月初旬には販売開始できそうです。>>牡蠣のご購入はこちらから

 

一言に牡蠣といっても、日本全国様々な牡蠣があります。代表的なのが広島県産カキ。牡蠣の生産量で日本一なのが広島県です。続いて我が宮城県。北と南でその味わいや大きさは全く異なります(ご存知でしたか?)

 

養殖技術が発達しているため大きく、あっさりとして食べやすいのが広島県産の特徴だとしたら、宮城県産牡蠣は小さめですが驚くほど「味が濃厚」なのが特徴です。オイスターバーなどでその違いを比べていただけると一目瞭然です。牡蠣好きの方の中には、宮城県産の濃厚な味わいが一番とおっしゃってくれるお客様もいらっしゃいますが、北と南、それぞれ親しんだ味があると思いますので一概には言えません。広島県産と宮城県産、それぞれの違いを楽しんで頂けると嬉しいですね^^

 

宮城県産の牡蠣で冬に旬を迎えるのが「真牡蠣(通称:マガキ)」という種類です。おおよそ10月中旬〜2月下旬の時期が「生食用」として出荷されます。生食用もただ水揚げして出荷ではなく、紫外線で充分に殺菌してから出荷されるので安心なんですよ^^ また牡蠣は3月に入ると抱卵期を迎えようとするため「加熱用」に切り替わります。ここで価格もぐっと下がってきますが、実は焼いたり、蒸したり、お料理に使うなら3月〜5月の「春牡蠣」が一番おいしいんです。その理由は旨味成分のグリコーゲン。加熱用に切り替わった春牡蠣は、そのグリコーゲンをたっぷり含んでいるため、味が驚くほど濃厚です。当店の牡蠣のスモーク牡蠣のオリーブオイル漬などは、この春牡蠣を厳選して使用しています。だからアミノ酸などの添加物を使用しなくても旨味があるんです^^

 

ちなみに夏に旬を迎えるのが「岩牡蠣(通称:イワガキ)」で、こちらは真ガキに比べて大きく、より複雑な味が特徴です。今年の夏は山形県酒田市で岩牡蠣を食べてきましたが、大きくて美味しくてビックリしました。

 

それともうひとつ。当店では「殻付きの牡蠣」以外でも、むき身にした「生食用むき牡蠣」も同時に販売しております。昨年、南三陸町の港近くにある「牡蠣むき場」におじゃましました(写真下)が、大勢の職人さんたちが黙々と牡蠣をむく風景に圧倒されました。丁寧ながら驚くほどのスピードは、まさに熟練の技ですね。山積みにした牡蠣の量も実にすごかった。

 

これから東北特有の厳しい冬がやってきます。当たり前の事ですが、大切に育てる生産者がいて、早朝から黙々と牡蠣と向き合う人達がいて、それを当店が仕入れてお客様に販売させていただく。今よりももっともっと大切に、その裏側までお伝えして行きたいと強く思います。

 

牡蠣

牡蠣の殻むき作業(2013年11月 撮影:山内鮮魚店店長)

 

宮城県産真牡蠣(マガキ)の販売開始は10月後半〜11月初旬頃を予定しております。

 

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