我々の財産は「人」である
山内鮮魚店店長の山内です。
今月から次号南三陸タブロイド版「Minamisanriku vol.6」の制作が続いています。
私店長も写真担当として、仕事の合間を縫い同行させて頂いております。
1年に4回の発刊、南三陸の「人」をテーマにしたこの季刊誌も、気がつけば次号で6回目を迎えます。
思えば南三陸町で生まれ、北海道・東京と県外での長い生活を経て2005年に帰郷してから震災が起こるまでの6年間、黙々と家業に没頭し、南三陸町での「人」との関わりがあまりにも少なかったのではないか。
震災後、このタブロイド紙に関わるようになり痛感した事のひとつです。
困難を共にし、町民が一体となって復興再建に向かう中、我が南三陸町では今まで顔だけは知っていても心を開いて交流した事がない、そんな人々がもの凄い勢いで繋がっています。
カメラを構え、インタビュアーがお話を聞くにつれ、どんどん溶け込んでいく濃密な時間。
ファインダー越しに表情を追いながらいつも思うのは、様々な人々の再建にかける強い「想い」や、やってやるぞという意志に溢れた「底力」。
東北の人々は、我々南三陸町民は、やはり底知れぬ元気とパワーを持っている。
このタブロイド紙の取材は、自分自身にいつも様々な元気を与えてくれます。
ほんの数時間の取材が終わると、皆一様に仲良しになっている。
そして次にどこかで顔を合わせる時には、益々打ち解けている。
そういった事がなんだかすごく嬉しかったりします。
こういった「仲良し現象」は町民の方々だけでなく、毎回の「南三陸福興市」に参加して下さるボランティアの方々や、この町に関わろうとして下さる人々との間にも起こっています。
南三陸町という三陸の小さな港町の「人」や「食」、底知れぬ「明るさ」に触れ、その良さを発信してくれ、我々に元気を与えてくれているのも、そういった震災後に出会った人々なのです。
私店長が震災後に感じた事。それは南三陸町で生きる人々の「力強さ」と底知れぬ「元気」。
小さな町だからこそ、一丸となって前に進むことができる。10年後、そして20年後、再建へ向かう中、我々が最も得る財産、それは現代では得難い「人との繋がり」なのだと実感する毎日です。
海外の方々にも読んで頂けるよう英訳が付いている、この南三陸を知る季刊誌「Minamisanriku」タブロイド版は、南三陸観光協会ホームページからPDFでダウンロード頂けます。